第8章 【第七話】肩を並べる約束
「わかりました」
答えると、コムイさんは小さく頷いた。
「うん。今回も、ラビと組んでもらうよ」
その言葉とほぼ同時に、部屋の壁際から、聞き慣れた声が上がった。
「そーいうことさ」
振り返る。
書棚の脇へ寄りかかっていたラビが、片手を上げて笑っていた。
その顔に、あの夜の書庫が重なる。
――そりゃ覚えてるさ。あんな顔で頷かれたらな。
あの時、彼の目に浮かんでいたものが何だったのか、私はまだ分からない。
「……また、ラビと?」
「なんさ、その微妙な反応」
ラビが大袈裟に肩を落とす。
「オレと一緒で、嬉しくねぇの?」
「驚いただけよ」
「……本当かよ」
「本当だってば」
返すと、ラビは面白そうに目を細めた。
その笑顔を見ていると、さっきまで沈んでいた冷たさが、ほんの少しだけ和らぐ。それを認めるのは、何故か落ち着かなかった。
コムイさんが、軽く咳払いをする。
「今回、確認されているのは通常のAKUMA反応だ。前回の村で起きたような存在消失現象との関連は、今のところ確認されてない」
張り詰めていた肩が、僅かに緩む。
コムイさんの表情は、晴れないままだった。
「ただし、中央庁から一つ指示が来ている」
私は顔を上げた。