第8章 【第七話】肩を並べる約束
「今度の休み、街へ下りる用事があって。もし良かったら、ティファさんも一緒に――」
「お、何の話さ?」
隣の椅子に腰を下ろしたラビの腕が、私の椅子の背もたれへ回った。
青年はその腕と私を見比べて、一度だけ息を吸い直してからラビを見た。
「……街へ、お誘いしていたところです」
背もたれの上で、ラビの腕が僅かに動いた。
「へぇ。……で、行くんさ?」
ラビと青年、二人分の視線が、私の答えを待っていた。
用事の手伝いくらいなら、構わない。
「街での用事って、何か買いに行くの?」
「え……あ、えっと、それは……」
青年の目が、宙を泳ぐ。
「い、色々……です」
「色々、ねぇ」
背中の後ろで、ラビが楽しそうに繰り返した。
青年が、困り果てた顔でラビを見る。ラビは、にっこりと笑い返しただけだった。
二人は、目だけで何か通じ合っているように見えた。
……そういえば、さっきもラビのことばかり聞いていたわね。
憧れの相手には声を掛けづらくて、代わりに私に頼んだのかもしれない。
「私より、ラビと行った方が楽しいんじゃないかしら。街にも詳しいし」
「……え?」
「ラビ、行ってあげたら?」
青年とラビが、同時に固まった。
「……オレ?」
「ええ」