第8章 【第七話】肩を並べる約束
それからの日々。
オレはいつもより少しだけ、余計にティファを見ていた。
食堂では、よく科学班の連中に囲まれている。徹夜明けのジョニーやタップの愚痴を、ティファは嫌な顔ひとつせずに聞いていた。
ユウに睨まれても、平然としている。
鍛錬場では、そのユウに自分から相手を頼んでいた。同じ剣士として、あの剣捌きが気になるのかもしれねぇ。
ジェリーの料理は、いつもゆっくり味わう。誰かと話しながらの日もあれば、一人で静かに皿へ向かう日もある。
どこにでもある、教団の日常。
書き留めるほどの出来事なんて、何もない。なのに気付けばオレは、その光景の中からティファの姿ばかりを探していた。
記録するためではない。
ただ、見ていた。
……見ているだけの、つもりだった。
朝の「おはよう」一つで、声がまだ掠れていないか確かめてしまう。
食堂で、ファインダーがあいつを街へ誘っているのを見た時は、気付けば隣の椅子を引いていた。
――マズいな。
そう思うのに、目を逸らす気にはならなかった。