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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第50章 【第四十五話】『守る』というかたち



リハビリの許可が出て、初めて鍛錬場へ行った日。

壁際に見慣れた赤毛がいた。


「珍しいわね。一人で鍛錬なんて」

「んー……まあ、ちょっと身体動かしたくなってさ」

「ふうん」


額の汗を手の甲で拭いながら、ラビがこちらを見る。

「お前も今日から?」
「軽い素振りだけね」

「軽い、ね」

ラビは木槍を握り直し、少し離れた場所へ戻った。



私は木刀を握り直す。

医療班から許可されたのは、軽い素振りまで。
走り込みも、組み手も、イノセンスの発動もまだ駄目だと言われている。

それくらいは、ちゃんと守るつもりだった。


木刀を振り下ろす。

一度。

もう一度。


身体はまだ少し重い。
それでも、久しぶりに動けるのが嬉しかった。


隣では、ラビの木槍が風を切る音が続いている。




しばらくすると、その音が止んだ。


「……もうよくね?」

十分も経っていない。


私は木刀を下ろし、ラビを見る。

「まだ始めたばかりじゃない」
「病み上がりなんだから、こんくらいでいいんさ」

「息も上がってないけど」

「上がってからじゃ遅ぇだろ」

「……」



この人は、人のことをよく見ている。

本当に無理な時と、まだ平気な時くらい、私より正確に見分けられる。


それなのに。



「ラビ、さすがに止めるの早くないですか?」

聞き慣れた声に振り返る。

鍛錬場の入口に、アレンが立っていた。


少し後ろには、相変わらずきっちりとした制服姿のリンクがいた。


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