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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第50章 【第四十五話】『守る』というかたち




ラビはしばらく私を見つめていた。

何かを察したように眉を下げる。


「……分かった、分かったから」

降参するように両手を上げた。


「オレが悪かったさ」

その言い方があんまりいつも通りで、目の奥が急に熱くなった。


泣きそうになるのと、笑い出すのが同時に来る。

私は、笑う方を選んでしまった。

声は出ない。
肩だけが小さく揺れる。

ラビは少しの間それを見て、息を吐くように笑った。

その顔を見ているうちに、枕を抱く指から少しずつ力が抜けていった。


「ラビ、あと十三分よ」

リナリーが果物を口へ運びながら、何気なく告げる。


「もう二分経ったん!? 嘘だろ! 今の枕のくだりはノーカンだろ!?」

「延長はありません」

扉の外から即座に看護師の声が飛んできた。


ミランダが堪え切れずに笑い出す。

私もまた肩を震わせた。



笑いが収まる頃、ラビはベッド脇の椅子を引き寄せて腰を下ろした。

隣のベッドで、リナリーがわざとらしく果物へ視線を戻す。
ミランダも急に、毛布の皺を伸ばし始めた。

……聞く気は満々らしい。


ラビは気にする様子もなく、椅子の背へ肘を掛けた。

「で。……調子はどうさ」


私はボードへ書く。

【退屈】

「……ははっ。そんだけ文句言えりゃ上等さ」

心底不本意そうに顔をしかめる。


「聞いてくれよ。科学班が、ひでぇんさ。廊下に網なんか仕掛けやがって――」

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