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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第42章 【第三十七話】声なき再会



神田は、それ以上詳しくは聞かなかった。

湖のことも、あの白い髪の男のことも、神田は何も知らない。
説明したところで、長くなるだけだ。

今は、それでいい。


「ほんと……いっつもそうなんだよなぁ、ティファは」

軽口のつもりだったのに、最後の方が、少しだけ掠れた。



神田は、しばらく黙っていた。


やがて、ふん、と鼻を鳴らす。


「……相変わらずだな」

その声が、ほんの少し低いことに、ラビは気づいた。


(……ほんと、素直じゃねぇな)


こいつの気持ちなんざ、とっくに知ってる。

前に一度、言い合った。
オレは遠慮しない、と。


だから今さら、目くじらは立てない。
代わりに、少しだけ意地が悪くなった。


「なぁユウ。お前、もしかしてティファのこと心配――」

言い終わる前に、脛へ蹴りが飛んできた。

「いってぇ!? 何すんさ!」
「うるせェ」


その時、アレンの視線が、ふと神田の胸元で止まった。


団服の合わせから覗く、黒い紋様。


「神田……ずっと気になってたんですけど」

首を傾げる。

「その胸の模様、どうしたんです? そんな大きいタトゥー、入れてましたっけ?」

「別に」

神田は、視線も向けずに切り捨てた。


アレンの眉が、ぴくりと動く。


「会話になってませんね、神田」

アレンがわざとらしく、両手を叩く仕草。

「はいっ、言葉のキャッチボール!」

「ウゼェ奴」


火花を散らし始める二人を、ラビは半歩下がって眺めた。


再会したそばから、これだ。

(ナゼいがみ合うの……)

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