第42章 【第三十七話】声なき再会
方舟の街を、四人で見て回った。
崩れたはずの通路も、消えたはずの広場も、何事もなかったように元通りだ。
空には鳥まで飛んでいる。
嘘みたいに、静かだった。
「しっかし静かだなぁ」
ラビは首の後ろで手を組んだ。
「あのピンチは何だったんさ……。ホントにお前が舟を戻したんか、アレン?」
「えぇ、まぁ……」
アレンは曖昧に頷く。
「釈然としない所は、ありますが……」
(……大事なとこ、見逃しちゃったさ)
ラビは、心の中で溜め息をついた。
崩壊が止まった、あの瞬間。
アレンが何をどうやったのか。
落ちてる間に、全部終わってた。
気づいたら石畳の上で、街は元通り。
記録者として、これほど惜しいこともなかった。
まあ、生きてりゃそのうち聞ける。
そう思うことにした。
*
「……なあ」
不意に、神田が口を開いた。
いつもの仏頂面のまま、視線だけをこちらへ寄越す。
「あいつ、何であんなになったんだ」
あいつ。
ソファに残してきた、あの銀髪を指しているのだと、すぐに分かった。
ラビの足が、僅かに止まる。
「……敵に、足止めされたんさ」
短く答える。
「オレらが先へ進めるように、ティファが一人で引き受けた。……で、無茶しすぎた」