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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第42章 【第三十七話】声なき再会



もし、扉を開けて。


触れて。


そこにある温もりまで、消えていたら――


「おい」

神田の声が、思考を断ち切った。


気づけば、白い部屋の前まで来ていた。


「行かねぇのか」

「……行くさ」

ラビは、笑ってみせた。
上手く笑えたかは、分からない。


「行くに決まってんだろ」

乱れた息を、無理やり飲み込む。



深呼吸、ひとつ。


顔を、いつもの顔に戻す。

泣きそうな面で会いに行ったら、あいつが心配するから。


「……よし」

そして、片手を上げながら、扉をくぐった。





「――よぉ」


軽い声。
片手を上げる仕草も、いつも通り。

ラビだった。


その後ろからチャオジーが続き、さらに神田が現れる。


神田の肩には、意識を失ったクロウリーが担がれていた。


「ラビ……みんな……!」

アレンの肩から、ふっと力が抜ける。

リナリーも、目を潤ませたまま、言葉にならない様子で彼らを見つめていた。


チャオジーが大きく息を吐く。

「はぁ……よかった……本当に……」


その横で、神田は無言のまま、担いでいたクロウリーを床へ横たえた。
乱暴に見えて、頭だけは最後まで支えていた。


クロウリーは目を覚まさない。
ただ、浅い呼吸だけが、まだ生きていることを知らせていた。


部屋の空気が、ほんの少しだけ緩む。


けれど。
ラビの視線が、奥のソファで止まった。



そこに、ティファが横たわっていた。

白い顔。
閉じた瞼。

喉元に巻かれた布。



ラビは、すぐには動けなかった。


ついさっき、この腕の中にあった温もり。
落ちる直前、アレンへ押し出した軽い身体。

離れていく感触。


全部が、嫌になるほど鮮明に蘇る。


「……ラビ」

アレンが、静かに声をかけた。

「呼吸は、ちゃんとあります」


その言葉で、ようやく足が動いた。

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