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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第42章 【第三十七話】声なき再会



「っし! 今行くさ! 待ってろよ!」

叫び返したけれど。
胸の奥には、すぐに別の冷たさが広がった。


目を覚ましていない。
声がしない。


分かっている。

眠っているなら、返事なんてあるはずがない。


それでも。

一番聞きたい声だけが、どこにもなかった。


呆れたように笑いながら。
「騒ぎすぎよ」とか、なんとか。

いつもなら返ってくるはずの声だけが、降ってこない。


胸の奥が、じわりと冷えた。


「……行くぞ」

神田がクロウリーを担ぎ直す。


ラビは頷いた。

頷いた、はずだった。
なのに、最初の一歩が妙に重い。

それでも、足を止めるわけにはいかなかった。



やがて、天井から降るアレンの声を頼りに、ラビたちは白い回廊を進んだ。

いくつかの扉を抜ける。


歩く。


途中から、早足になった。


最後は、ほとんど走っていた。


背後で神田が舌打ちした気がしたが、知ったことか。


扉の向こうに、ティファがいる。


生きている。

アレンはそう言った。


息はある、と。


――それでも。

この手で触れるまでは、安心できない。


この腕から手放した、あの軽い身体。
落ちる直前、離れていった温度。

夢の底で抱き起こした、冷たいティファ。


濡れた銀髪。
開かない瞼。

あの感触が、まだ掌に残っていた。

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