第42章 【第三十七話】声なき再会
「僕にしかって……?」
落下の感覚。
背中から、柔らかいものへ突っ込んだ。
「!?」
ソファだった。
真っ白な部屋の、真っ白なソファの上に、逆さまに埋まっている。
「ここは……っ。師匠……リナリー?」
身を起こし、周囲を見回す。
白い壁。白い床。白いソファー。
他には、何もない。
「方舟のなか、なのか……?」
その時。
『ココハ千年公モ知ラナイ……』
声がした。
頭に直接響くような、砂を噛んだような声。
『「14番目」ノ秘密部屋……』
「……っ!」
振り返る。
窓に、影が滲み出していた。
人の形をした、渦を巻く黒い影。
顔のあるべき場所に、白い双眸と、三日月の嗤いだけが浮かんでいる。
「お前は……!」
アレンの背が、粟立った。
見覚えがある。
「リナリーが泣いてた、あの夢でみた……」
僕の行く手を阻んだ、あの影と。
そっくりだ。
影は、答えない。
ただ、すう、と部屋の奥へ滑っていく。
その先に――ピアノがあった。
白い部屋に、ぽつんと置かれた一台のピアノ。
その譜面台に、金色の羽が見えた。
「ティムキャンピー……?」