第42章 【第三十七話】声なき再会
「この舟を奪いに来たのなら、遅すぎましたネェ♡ すでにこの舟の『心臓』は、新しい方舟に渡りましタ♡」
そして、笑った目が、ゆっくりとアレンたちを撫でた。
「この方舟は最後に――エクソシストの血を吸う柩となるのですヨ♡」
胸の奥で、何かが千切れた。
ラビ。
チャオジー。
神田。
クロウリー。
そして――腕の中で動かない、ティファ。
全部。
全部、こいつらが。
「リナリー」
アレンは、ティファの身体を、リナリーの傍へそっと預けた。
「ティファを……お願いします」
「アレンくん……?」
返事を待たなかった。
「伯爵ううぅぅ!!!」
叫びと同時に、地を蹴る。
神ノ道化が唸り、白い刃が伯爵の剣とぶつかった。
ガギィィィン!!
火花が散る。
伯爵の目が、大きく見開かれた。
「我輩の剣……!?」
驚愕。
アレンの刃は、伯爵のそれと――同じ形をしていた。
けれど、アレンにはもう、それを考える余裕すらない。
「返せ……」
刃を軋ませながら、絞り出す。
「僕の仲間を……返せええぇ!!」
その瞳を覗き込んだ伯爵が、うっとりと嗤った。
「〝憎悪〞……ッ」
「イイ瞳だ、アレン・ウォーカァ――♡」
次の瞬間。
凄まじい力が、アレンを弾き飛ばした。
身体が瓦礫へ叩きつけられ、視界が明滅する。