第6章 Mother
「お疲れ様でした。
はい、朝ごはんの用意はしてあるよ
野宿だから大したものは作れなかったけど」
「うわぁ!なんだこれなんだこれ!おにぎりなのに四角いぞ?」
ぱくっ
「うめー!」
「これはね、おにぎらずと言います。
にぎってないので、おにぎらず」
中身は厚焼玉子、トマト、ベーコン、レタスという具だけ見ればBLTサンドのようだった。大きく違うのは、パンではなくお米という点。
「これはまた……お米のポテンシャルの高さ……脱帽です」
八戒も一口食べて関心している。
「なんだってラジオ体操なんかさせたのよ」
もぐもぐおにぎらずを食べながら悟浄が聞いた
「……私はあなた達と共に旅をするようになってから常々思っていました。
なんとなく漂うダウナーな雰囲気…
これは何なんだろうと。
昨日、紅孩児さんたちに初めて会って……それで分かった。
あなた達は3Kです!」
「3K?それって食い物か?」
「3K……それは……
汚い、くさい、小汚い……よ!!!」
(汚い2回言った……)
「起きるの遅い、毎日お風呂入らない、歯磨きせずに寝る、服も何日も同じの着る……」
華楠はハァァアと大きなため息を吐く
「良いですか!健康は!栄養バランスのとれた食事と!早寝早起き!適度な運動!それと清潔さ!今のところこれが出来てるのは八戒しかいないのよ!?」
「それ紅孩児となんの関係があんだよ」
「紅孩児さんたちはとても清潔でした。嫌な匂いもせず…むしろコロンを振ってるくらい。さすが王子様ね。気品もあって…」
昨日の彼らを思い出しながら少しうっとりする
「もうこの時点で負けてるの。人として。
私は!今ここに!あなたたちの生活習慣を改善させることを誓います!!」
手を挙げ高らかに華楠は宣言し
その横で八戒がパチパチと拍手を贈る
「いやぁ、長い間僕も気になってたんですよ」
「おい八戒!裏切る気かー!」
「裏切るも何も…普段から僕が注意してることですよ?僕が言ったって聞かないじゃないですか」
八戒は悟浄と暮らしていたので、その自堕落さは分かっている
「というわけで、これから毎朝6時にラジオ体操ね」
「げ〜〜!」
悟浄の不満気な声が響き
三蔵は早起きのせいで既にうとうとしていた