第5章 台風一過
八戒が出ていくのと入れ違いに三蔵が食堂へやって来た
椅子に座ると「コーヒー」とだけ言って新聞をバサッと広げる
「あのね、コーヒーくらい自分でいれて頂けるかしら?」
「うるせぇ、早くしろ変態女」
「へんたいおんな!!!!」
あまりの言われように華楠はこれ以上話してても無駄だと思いキッチンへ向かう
ガッチャンガッチャンと感情むき出しにカップを用意しお湯を沸かす
その様子を見て三蔵はくっくっくっと喉を鳴らして笑うのだった
だん!!!と机の上にカップを置き
「三蔵サマにはインスタントコーヒーがお似合いよ!」
と言って華楠はキッチンへ戻っていくと、これみよがしにごりごりコーヒー豆を挽き出した
フィルターをセットしお湯を入れて挽いた豆を蒸らす
「う〜ん、いい香り♪」
コーヒーの香りが部屋中に広がっていく
「………………おい。おれにも寄越せ」
インスタントコーヒーを一気飲みした三蔵が空になったカップをコトンと置く
「あら。変態女がいれたコーヒーでも良いの?」
嫌味ったらしく聞くと
「チ。良いから寄越せってんだ」
と三蔵は眉間に皺を寄せて言った。
(素直じゃないんだから。)
くすくす笑って三蔵の分のコーヒーも用意する
「はいどーぞ」
カチャ…と三蔵の前に置く
ズズ……
新聞を読みながらカップを口に運ぶ
「……うまいな」
「でしょ。」
華楠も向かいの椅子に座ってコーヒーを飲んだ。
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八戒side
汚れたズボンを履き替え、ついでに他に洗濯するものがないかと華楠に聞きに行こうと食堂へ戻ろうとするとコーヒーの良い香りがふわっと鼻をくすぐった。
「なっちゃ……」
食堂を覗き華楠に声をかけようとするが、そこには三蔵と二人
入るのを躊躇い入口の手前で足が止まった
見ると三蔵は新聞を読んでいるがその顔には笑みが浮かんでいる
(あの三蔵が……)
その後もぎゃあぎゃあ言い合いながら2人は楽しそうにコーヒーを飲んでいた
ぎゅっと手に力が入る
踵を返し食堂を後にした
(昨夜何があったか知りませんが、あの空気の中には入れませんね…)
穏やかではない八戒だった