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【最遊記】千日紅

第4章 Azalea


「三蔵、おやすみ〜」

背を向けながら三蔵は「ああ」とだけ返事をした

なんて平穏な夜…!!
この2日心乱される日が続いたから余計にそう思う…外は荒れてるけどね…


窓はカタカタと鳴り、窓から見える草木が大きく揺れている。
予報によると台風は夜中に通過するとのこと。これから更に雨も強くなるそうだ。

こういう日は早く寝るに限る!
布団をかぶり目を閉じたのだった


​───────​───────​───



「はっ…はっ………くっ……」



荒い息遣いが聞こえ、華楠は眠りから覚めた

(んー??さんぞ…?)

「っ……はっ…はあっ…」

(えっもしかして一人でシてる?)

(三蔵といってもいい歳の男だもん、そりゃ性欲もあるよね…大丈夫、私は気付かないふりをするよ……)

そう思いながら
(でもちょっとだけ見てやろう)とイタズラ心が芽生え、チラッと薄めを開けて三蔵の方を見る…

……と、三蔵は苦しそうにうなされているではないか。

(三蔵?)

ベッドから降りて三蔵の方へ行くと、額に汗をかきながらうなされている

(悪い夢でも…見てるのかな)

外の雨は、屋根を強く打ち付け
ゴウゴウと響く風の音に台風が接近しているのがわかった

「お師……匠…………」

絞り出すように三蔵が呟く

きっと、あの時の夢を見ているのだろう

(そう…だよね。目の前で光明さまを……)

クールに見えるけど、強がっていただけなのかもしれない。

華楠はベッドサイドに置いていたコップの水を一口含み、三蔵に口うつしをしながら飲ませる。

自分の気を水に含ませて、少しずつ三蔵の口内へ送る


こくっ……こくっ……

三蔵の喉が動くのを見ると、口を離した

よしよし、と頭をゆっくり撫でてやる。

(まつげ長…)

金糸のような髪を指でときながら三蔵の顔を眺めると、呼吸は落ち着きスースーと寝息を立てていた

(落ち着いたみたい。良かった。)

撫でていた手を止め、離れようとするとおもむろに手を捕まれ引っ張られる

「きゃ…」

ボスッとベッドに倒れ込むと、寝返りを打った三蔵の腕が絡みついた。
足まで絡められて脱出できそうにない。

「ちょっと…さんぞ……」

無理やり出ようとしたが、せっかく落ち着いた三蔵を起こすのも憚られて脱出は諦めた


(んもう。起きた時怒んないでよね)
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