第45章 誕生日
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数日前。
休憩時間。
階段の踊り場で、壁に背を預けていた爆豪の前に、ユカリが立っていた。
『もうすぐ誕生日だろ』
『あ、覚えててくれたの?』
『………欲しいもん、あんのか』
突然の問いに、ユカリは目を丸くした。
『え、欲しいもの?ないよ?』
『だろうな。捻り出せ』
『えぇ!?』
困ったように笑いながら考え込むユカリ。
やがて、ふっと表情を緩めた。
『でも、もう欲しいものは手に入っちゃったしなぁ……』
『は?なんだよ、それ』
『爆豪くん』
嬉しそうに笑う。
『…………』
思わず目を逸らした爆豪に、ユカリがくすりと笑った。
『なんで目逸らすの?』
『………るせェ』
そして少し考えたあと。
『あ、でも、爆豪くんのごはんはまた食べたいかな』
『…………』
『すごく美味しかったから』
***
「…………」
爆豪は玄関先で小さく息を吐いた。
「……ったく」
けれど、その口元はほんの僅かに緩んでいる。
自分から食べたいと言ったんだ。
なら、作ってやる。
今日は、あいつのために。
「じゃあな」
「おう。そっちも頑張れよ!」
背中越しに砂糖の声を聞きながら、爆豪は寮を出た。
朝の冷たい空気が頬を撫でる。
まだ人影もほとんどない敷地内を、爆豪は3年寮へ向かって歩き出した。