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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第45章 誕生日








***


誕生日当日の朝―――

まだ早い時間。

窓の外には朝の薄い光が差し込み始めたばかりで、雄英の校舎も寮も、いつもよりずっと静かだった。

1年A組寮の廊下を、身支度を終えた爆豪が歩いていく。

寝起きの気配が残る静かな寮内に、足音だけが小さく響いていた。

やがてリビングへ続く扉を開ける。


「……あ?」


そこで、キッチンに立つ砂糖の姿が目に入った。

エプロンを身につけ、ボウルの中身を混ぜながら、黙々と作業をしている。

テーブルの上には小麦粉や砂糖、卵などの材料が並び、その横にはこれから使う道具がきちんと準備されていた。


「……もう始めてんのか」


爆豪が声をかけると、砂糖が振り返った。


「おう。せっかくだから、朝から仕込んどこうと思ってな」


キッチンへ近づき、並べられた材料へ目を向ける。


「今日のケーキだろ」

「そう。昨日、みんなで話してたろ?」


砂糖は笑いながら答えた。


「ユカリ先輩の誕生日だしな。ケーキくらい俺が作るって、買って出たんだよ」

「……そうか」


短く返し、爆豪は冷蔵庫を開ける。

中を確認してから、静かに扉を閉めた。

自分が使う分の材料は、すでに別に用意してある。

今日は3年寮のキッチンを借りることになっていた。


「爆豪は何するんだ?」

「……料理」

「へえ。先輩のためか?」

「他に誰がいる」

「はは、そりゃそうだな」


砂糖が楽しそうに笑う。

爆豪はそれ以上答えず、自分の荷物を手に取った。

そのまま玄関へ向かおうとして――ふと、足を止める。

脳裏に浮かんだのは、数日前の会話だった。


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