第45章 誕生日
むしろ――
「俺、書きたいこといっぱいあるぞ」
「私も!」
「僕もだよ」
「……俺も」
次々と声が上がっていく。
誰も彼もが、ユカリとの思い出を持っていた。
勉強を教えてもらったこと。
訓練で励ましてもらったこと。
落ち込んでいるときに声をかけてもらったこと。
ほんの些細な出来事まで。
ユカリにとっては何気ない一言だったのかもしれない。
けれど、それを受け取った側にとっては――ずっと心に残っている言葉だった。
「……じゃあ、決まりだね」
出久が嬉しそうに笑う。
「A組からユカリ先輩への誕生日プレゼントは――みんなからの色紙!」
「おう!」
「絶対喜ばせようぜ!」
「もちろん!」
教室中に明るい声が響く。
その輪の少し外側で、爆豪は腕を組んだまま黙っていた。
けれど、その口元にはほんの僅かに笑みが浮かんでいた。
――みんなが、ユカリを慕っている。
それは、彼女が知らないところでも変わらない。
そして今年の誕生日。
その想いが、一枚の色紙いっぱいに詰め込まれることになる。