第44章 My Cheerleader (R18)
「……ったく。テメーもテメーだ」
「え?」
「なんであんな嬉しそうに笑ってんだよ」
「えぇ?だって、久しぶりに会えたんだよ?ホークスさん、前からお世話になってる人だし……」
「それも知ってる」
「じゃあ――」
「知ってるからムカついてんだよ」
「…………」
ユカリは一瞬ぽかんとした。
けれど、その言葉が妙に可愛く思えてしまって、思わず小さく笑う。
「……もう」
「だから笑うなっつってんだろ」
「ごめんね」
そう言いながらも、その声には隠しきれない愛おしさが滲んでいた。
「でも……私が好きなのは爆豪くんだから」
「………知っとる」
ぽつりと呟くと、爆豪はユカリの腰を引き寄せ、そのまま強く抱きしめた。
突然のことに、ユカリは小さく目を見開く。
けれどすぐに表情を緩め、彼の顔を覗き込んだ。
「まだ機嫌悪い?」
「……悪ィ」
やっぱり頑固だ。
ユカリはそんな爆豪を見上げながら、少しだけ余裕のある笑みを浮かべる。
その表情には、恋人としての甘さだけでなく、彼をずっと見守ってきた『先輩』らしい優しさも残っていた。
「じゃあ……目、瞑って?」
「……あ?」
怪訝そうにしながらも、爆豪は素直に目を閉じる。
次の瞬間―――
ふわりと柔らかな感触が唇に触れた。
ちゅっ、と軽い音。
ほんの一瞬のキスだった。
「機嫌、直った?」
いたずらっぽく笑うユカリ。
その余裕たっぷりの顔を見た瞬間、爆豪の何かがプツンと切れた。
「………足んねェ」
「え?」
低く呟くと同時に、大きな手がユカリの後頭部へ回る。
そのまま強く引き寄せられ―――
「んっ……」
再び、唇が重なった。
さっきとは違う。
抑えていた感情をぶつけるような、熱のこもったキス。
「ん、っ……ふ……っ」
さっきまでの余裕ある『先輩』の表情は、もうどこにもない。
「……っ、爆豪くん……」
唇が離れた隙間から、かすかな声が漏れる。
爆豪はそんなユカリを見つめ、低く呟いた。
「……誰のモンか、分からせてやる」
彼女の耳元でそう囁き、逃がさないように再び唇を奪った。