• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第44章 My Cheerleader (R18)





***  

その頃。

爆豪に手を引かれるユカリは、静かな体育館裏を歩いていた。


​「爆豪くん?」


​声をかけても、返事はない。

ただ、繋がれた手だけはしっかりと握られたまま、ずんずんと先へ進んでいく。


​「ねえ、どこ行くの?」

​「………」

​「爆豪くん?」

​「……うるせぇ」

​「えぇ……?」


​思わずユカリは苦笑した。

どうやら、相当ご機嫌斜めらしい。

やがて爆豪が足を止めたのは、体育館裏にある薄暗い器具倉庫の前だった。

重い扉を開け、中に押し込まれる。

爆豪も後から入ると、カチリと鍵を回す無機質な音が響いた。

​二人きりになったところで、ユカリは振り返る。


​「どうしたの?」

​「……別に」

​「別に、って顔じゃないよ?」

​「…………」


​黙り込む爆豪を見つめ、ユカリは小さく首を傾げた。

今日の出来事を思い返せば、思い当たることはひとつしかない。


​「もしかして、怒ってる?」

​「怒ってねぇ」

​「ほんと?」

​「あァ」


​返事だけは妙に早い。

けれど、どう見ても不機嫌そのものだった。

ユカリはそんな爆豪を見て、少しだけ意地悪そうに笑う。


​「……ホークスさんのこと?」

​「…………」


​ぴたりと動きが止まり、爆豪の眉間にさらに深いシワが寄った。


​「……チッ」

​「やっぱり」

​「うるせぇ」

​「ふふっ」

​「笑ってんじゃねぇ」


ユカリ​は楽しそうに笑いながら、一歩近づいた。


​「爆豪くん、分かりやすいんだもん」

​「……誰のせいだと思ってんだ」


低く落ちた声に、ユカリの胸が小さく跳ねた。

爆豪はじっと彼女を見つめている。


「……あいつ」

​「ホークスさん?」

​「あァ」


吐き捨てるように答えてから、爆豪は眉間に皺を寄せた。


「人の彼女に勝手に触ってんじゃねェよ」

​「………」


​ユカリの頬が、ほんのり赤くなる。


​「……彼女って」

​「なんだよ」

​「ちゃんと、そう思ってくれてるんだなって」

​「当たり前だろ」


​迷いのない即答だった。

爆豪は気まずそうに視線を逸らす。



/ 769ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp