第44章 My Cheerleader (R18)
そのとき。
コートの中で、爆豪が足元に転がってきたボールを拾い上げた。
「…………」
手の中で、ボールが一度だけ回る。
視線の先には、肩を抱かれたユカリ。
そして――ホークス。
「…………チッ」
次の瞬間、爆豪は容赦なく腕を振り抜いた。
ドンッ!!
鋭い音とともに、ボールが一直線に飛んでいく。
狙いは――ホークス。
「……おっと」
ホークスが飛んできたボールへ目を向ける。
次の瞬間。
バシッ!
空いていた片手の手のひらで、ボールを軽々と受け止めた。
「………へぇ」
ホークスがボールを見下ろし、それからゆっくりとコートへ視線を戻す。
「ちょ、爆豪!お前どこ打ってんだよ!?」
切島が慌てて声を上げる。
「すす、すいませんホークス!」
出久も冷や汗を浮かべながら頭を下げた。
だが、ホークスは怒るどころか、口元を楽しげに緩めた。
「いいボールじゃん」
手の中のボールを軽く弄びながら、肩をすっと引く。
爆豪から目を逸らさないまま、腕を振り抜いた。
「そんじゃ――お返ししないとね」
――ビュンッ!!
ボールが、目にも止まらぬ速さで飛んでくる。
「速っ!?」
切島が目を見開く。
爆豪は咄嗟に両手を突き出した。
バシィッ!!
「……ッ!」
強烈な衝撃が走る。
受け止めたボールをそのまま掴み込むが、両腕にはじんじんと痺れるような痛みが残った。
(……いってェ。どんだけ力入れてんだ、アイツ……!)
爆豪が睨みつけると、向こうではホークスが楽しそうに笑っている。
ほんの一瞬。
火花を散らすように、二人の視線がぶつかり合う。
――ピーッ!!
その直後、体育館中に試合開始を告げるホイッスルが鳴り響いた。
爆豪は手の中のボールを高く放り上げる。
次の瞬間にはもうホークスから意識を切り替え、目の前のコートへ集中していた。
「行くぞオラァッ!!」
爆豪の咆哮とともに、激しい試合の火蓋が切って落とされた。