第37章 格闘訓練
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翌日、実戦訓練場。
1年A組の生徒たちが集まる中、今日の授業内容が告げられた。
個性使用可、格闘あり、制限時間ありの実戦形式演習。
純粋な戦闘能力と、対人での判断力が真っ向から試される訓練だ。
「おっしゃあ!!」
切島は両手で自分の頬を思い切り叩いた。
ぱんっ、ぱんっと乾いた音が訓練場に響き渡る。
いつも以上に気合十分なその様子に、隣にいた瀬呂が不思議そうに首を傾げた。
「なんか今日の切島、妙にやる気入ってね?」
「わかる」
上鳴も腕を組んで深く頷く。
「朝からずっと目がマジなんだよな」
麗日も「なんか、いいことでもあったんかな?」と首を傾げるが、当然誰もその理由を知らない。
放課後の第二訓練場で、ユカリと切島が行っていた、あの特訓のことを。
「対戦カードを発表するぞ」
相澤の気だるげな声とともに、モニターにタブレットの画面が表示された。
そこに映し出された切島の名前。
そして、その真横にある対戦相手の文字。
―――爆豪勝己。
「おっ」
切島の目が、一瞬で鋭く細められた。
周囲からは「うわ」「いきなり爆豪かよ」「キツくね?」と、同情混じりのざわめきが起こる。
少し前の切島なら、自分でも同じように弱気になっていただろう。
『絶対に勝てない、無理だ』と。
けれど、今の切島は違った。
視線を感じたのか、爆豪がぎらついた目で切島を睨みつける。
「手加減しねぇぞ」
いつも通りの、容赦のない宣戦布告。
だが、切島は不敵に笑ってみせた。
「望むところだ!!」
真っ直ぐに返ってきた言葉に、爆豪がわずかに眉を上げた。
何かがいつもと違う。
爆豪の鋭い直感がそれを察知し、その口元が小さく歪む。
「へぇ……面白ぇじゃねぇか」
「両者、位置につけ」
相澤に促され、切島は定位置へと歩き出す。
その足元を踏みしめるたび、この一週間の光景が走馬灯のように脳裏を駆け巡っていた。
息の詰まる訓練場の空気。
止まらない汗。
何度も床に叩きつけられた受け身。
翌朝の激しい筋肉痛。
そして、その中心でずっと自分を見てくれていた、ユカリの声。