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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第37章 格闘訓練




***
  
あれから一週間。

毎日ではないけれど、切島は時間を見つけてはユカリのもとへ通い詰めていた。

​初日は、ひたすら床に転がされる受け身だけで終わった。

二日目は重心の移動。

三日目は相手を崩す技術。

四日目は間合い。

五日目は視線と動作の読み合い。

六日目はそのすべてに対する反応の極意。

​そして、今日。

​「よし!」

パン、とユカリの手拍子が訓練場に心地よく響いた。

「今のステップ、すごく良かったよ!」

​「はぁーっ……!」

切島は荒い息を吐き出し、膝に手を置いた。

全身汗だくで、腕も足も鉛のように重い。

それでも、上げられたその顔は驚くほど晴れやかだった。

​「マ、マジっスか……っ!?」

「うん」

ユカリは嬉しそうに口元を綻ばせる。

「もちろん、まだ粗はあるけどね」

「ありますよね! 自分でもめちゃくちゃ分かります!」

「うん、いっぱいある」 

「やっぱりありますよね!!」

​切島もつられて笑った。

そこは痛いほど自覚している。

我流が抜けないせいか動きが大雑把だし、踏み込みも荒い。

重心もまだ高いため、ユカリが本気を出せば簡単に崩せるだろう。

けれど。

一週間前とは、まるで別人のようだった。

​「でもね、ちゃんと形になってる。形にしてみせたんだよ、切島くんは」

ユカリの言葉に、切島の顔が恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに緩んだ。

認められるというのは、こんなにも胸が熱くなるものなのかと素直に思う。

​「切島くんさ、毎回ちゃんと部屋に戻ってからも復習してるでしょ?」

「えっ……バ、バレました?」

「ふふ、バレるよ」 

努力家なのだ、この子も。

後輩のひたむきな成長が嬉しくてたまらないというように、ユカリは目を細めて笑う。

その温かい眼差し。

それがあるからこそ、切島もこの過酷な特訓を乗り越えられたのだ。


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