第37章 格闘訓練
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あれから一週間。
毎日ではないけれど、切島は時間を見つけてはユカリのもとへ通い詰めていた。
初日は、ひたすら床に転がされる受け身だけで終わった。
二日目は重心の移動。
三日目は相手を崩す技術。
四日目は間合い。
五日目は視線と動作の読み合い。
六日目はそのすべてに対する反応の極意。
そして、今日。
「よし!」
パン、とユカリの手拍子が訓練場に心地よく響いた。
「今のステップ、すごく良かったよ!」
「はぁーっ……!」
切島は荒い息を吐き出し、膝に手を置いた。
全身汗だくで、腕も足も鉛のように重い。
それでも、上げられたその顔は驚くほど晴れやかだった。
「マ、マジっスか……っ!?」
「うん」
ユカリは嬉しそうに口元を綻ばせる。
「もちろん、まだ粗はあるけどね」
「ありますよね! 自分でもめちゃくちゃ分かります!」
「うん、いっぱいある」
「やっぱりありますよね!!」
切島もつられて笑った。
そこは痛いほど自覚している。
我流が抜けないせいか動きが大雑把だし、踏み込みも荒い。
重心もまだ高いため、ユカリが本気を出せば簡単に崩せるだろう。
けれど。
一週間前とは、まるで別人のようだった。
「でもね、ちゃんと形になってる。形にしてみせたんだよ、切島くんは」
ユカリの言葉に、切島の顔が恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに緩んだ。
認められるというのは、こんなにも胸が熱くなるものなのかと素直に思う。
「切島くんさ、毎回ちゃんと部屋に戻ってからも復習してるでしょ?」
「えっ……バ、バレました?」
「ふふ、バレるよ」
努力家なのだ、この子も。
後輩のひたむきな成長が嬉しくてたまらないというように、ユカリは目を細めて笑う。
その温かい眼差し。
それがあるからこそ、切島もこの過酷な特訓を乗り越えられたのだ。