第35章 常夏SPLASH
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入場ゲートを突破した爆豪は、殺気そのままに流れるプールエリアへと突き進んでいた。
脳裏にあるのは、ユカリを自分のものにしたあの保健室の記憶だ。
一度最後までしているという絶対的な余裕がある。
他の男どもがユカリにどれだけ群がろうが、本来なら鼻で笑って一蹴できるはずだった。
――だが、轟焦凍だけは別だった。
自分と同じく、あの個性事故の好意対象になっていた男。
ユカリの心を揺さぶりかねない唯一のイレギュラーであり、明確なライバル。
「クソが……ッ!」
一秒でも早く引き剥がさねばと、爆豪がプールサイドに飛び込んだ、その時だった。
仲間たちの輪の中心にいるユカリの姿が、爆豪の目に飛び込んでくる。
「っあ……!?」
爆豪はその場にガタッと固まった。
大人っぽいデザインの、あまりにも布面積が少なすぎるビキニ。
ほぼ裸と言っても過言ではないその格好で、よりによって轟と楽しげに笑い合っている。
一瞬で爆豪の脳の血管がブチ切れた。
「……オイ、何ちゅー格好してんだ」
低く、凄みの利いた声とともに、爆豪が凄まじい勢いでユカリへと詰め寄る。
ユカリが「えっ、爆豪くん!?」と驚いて振り返るよりも早く、爆豪は片手に握りしめていたラッシュガードを広げると、彼女の頭からずぼっと力任せに被せた。
「っ!?ちょ、ちょっとなに……!?」
突然、視界を奪われてもがくユカリ。
ようやくすぽっと首元から頭を出した彼女は、ぶかぶかのラッシュガードに体を包まれた状態で爆豪を振り返る。
「な、なにこれ……?」
不満げに眉をひそめるユカリだったが、爆豪はふいっと気まずそうに視線を逸らし、ぶっきらぼうに言い放った。
「見りゃわかんだろ。着とけ」
キレているはずなのに、その声にはユカリへの過保護なまでの甘さと独占欲が隠しきれずに滲み出ている。
「………そんで脱ぐな」
しかし、そのガチすぎる独占欲に、すぐ近くにいた爆豪派閥がたまらず吹き出す。
「ぎゃはははは! 爆豪お前、独占欲やっば!!」
「先輩のせっかくの可愛い水着が一瞬で台無しじゃねえか! どんだけ人に見せたくないんだよ!」