第35章 常夏SPLASH
「ど、どうしたの轟くん……?」
上目遣いで、赤面しながら尋ねるユカリ。
すると轟は、彼女を自分の身体で周囲の視線から完全に隠すように抱き寄せたまま、大真面目な顔で、とんでもないセリフを耳元に落とした。
「いや……先輩がかわいすぎて、誰にも見せたくねぇなって」
「っ~~!!?」
甘すぎるストレートフラッシュをモロに喰らい、ユカリの脳内は爆発した。
至近距離で見つめてくる端正な顔。
耳に触れる彼の温かい息。
そして何より。
そんな恥ずかしい台詞を真顔で、さも当然のように言ってのける彼の男らしさに、胸が締め付けられるようにキュンキュンしてしまう。
あの日指先で味わわされた熱が、今度は言葉となって全身を駆け巡り、ユカリはもう声も出せずに真っ赤になって轟の胸元に顔をうずめるしかなかった。
轟もまた、腕の中に収まるユカリの柔らかい温もりと、赤くなって俯く愛らしい姿を独り占めできていることに、内心で深い満足感を覚えていた。