第35章 常夏SPLASH
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エメラルドグリーンに煌めく水面が、高いガラス天井から降り注ぐ陽光を反射して、眩いほどに波打っている。
最新の屋内型レジャープール『常夏SPLASH』。
その広大な場内は、どこからか漂うトロピカルなココナッツの香りに包まれ、室温も暖かく保たれていて快適そのものだった。
「うわぁ……本当にすごい人だね」
ユカリは、お気に入りの少し大人っぽいデザインの水着に身を包み、周囲を見渡して感嘆の声を上げた。
だが。
その瞬間に周囲の空気がわずかに変わる。
「おい、見ろよ……あの人、めちゃくちゃ綺麗じゃないか?」
「スタイルの次元が違いすぎるだろ、モデルか何かか……?」
プールサイドを行き交う一般の男子大学生や若い男性たちが、一斉にユカリへと熱い視線を注いでいた。
濡れた髪を肩に流し、白い肌に水滴を弾ませるユカリの姿は、この華やかな空間の中でも一際目を引く美しさだったのだ。
そんな周囲の視線の痛さに、真っ先に気づいたのは環だった。
「……っ、やっぱり視線が痛い……みんなユカリのことを見すぎだ……帰りたい……」
人混みの多さだけでなく、幼馴染に向けられる男たちの下心全開の視線。
環は眉をひそめて、居心地悪そうに自分のラッシュガードの襟元を引っ張り上げた。
そんな環の心配を余計に、当のユカリは「あ、見て環。流れるプールあるよ!」と無自覚に微笑んでいる。
「あっはは! 最高のロケーションだね! ほら、子供たちもたくさんいるぞ!」
ミリオが太陽のような笑顔でガッツポーズを決める。
すると、その圧倒的な存在感と鍛え上げられた肉体に惹かれるように、近くにいた小さな子供たちがトコトコと集まってきた。
「あ! オールマイトみたいなポーズのヒーローだ!」
「よーし、みんな! 今日は全力で楽しもうな! パワーーーー!!!」
「ぱわーーー!!!」
子供たちと一緒に無邪気にポーズを決めるミリオ。
その様子を、ねじれが「あはは! 通形、すっかり人気者〜!」とパチパチ手を叩いて笑っている。
なんとも和やかで、心が洗われるような光景だった。