第35章 常夏SPLASH
「おっ、プールか!」
真っ先に身を乗り出して反応したのは切島だった。
「いいじゃねぇか! 最近は授業もインターンもハードだったし、久しぶりにクラスのみんなでパーッと遊ぼうぜ!」
「うん、たまには息抜きも大事だしね。いいんじゃないかな?」
出久も開いていたヒーロー分析ノートをパタンと閉じながら、穏やかに笑う。
「……プールか」
轟も腕を組みながら、どこか興味深そうに小さく頷いた。
「まあ、いいんじゃないか」
「よっしゃ! ウォータースライダー楽しみすぎる!」
「最新の流れるプールもあるらしいぜ、ネットで見た!」
「あそこ、フードコートの飯もうまいって噂だぞ!」
男子たちはすっかり遠足前日の小学生のような盛り上がりを見せ、共有スペースのボルテージは最高潮に達していた。
しかし、そんな賑やかな空気から少し離れた一人用ソファでは、ただ一人、全く興味なさそうにスマホを眺めている人物がいた。
「……チッ」
周囲の楽しそうにはしゃぐ声を聞きながら、その眉間のしわが次第に深くなっていく。
「なあ、爆豪!」
その苛立ち混じりのオーラに怯むことなく、近くにいた切島が親しげに声をかける。
「もちろんお前も行くよな!」
「は?俺が行くわけねぇだろ」
背もたれに頭を預けていた爆豪が、心底めんどくさそうに顔を顰めた。
まあ、彼の性格からして、峰田の下心に付き合うはずもなければ、芋洗い状態のレジャープールなど「反吐が出る」の一言で一蹴する案件である。