第35章 常夏SPLASH
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その頃。
1年A組寮の共有スペースでは、別の意味で凄まじい熱気が渦巻いていた。
「見たかお前らあああ!!!」
テーブルの上に乗っかった峰田が、両手に握りしめたチケットを掲げて大号泣している。
「奇跡ってのはなぁ、諦めない男にだけ訪れるんだよ!!!」
彼が血の涙を流しながら執念で勝ち取ったのは、今をときめく最新屋内レジャープールのプラチナチケットだった。
「おい峰田、それって今めちゃくちゃ人気で予約サーバーが秒で落ちるって噂の……!」
上鳴が目を見開いて叫ぶと、峰田は涙を拭いもせず、ギラギラとした目を輝かせた。
「そうだ上鳴! オイラのこの、女子の水着を見たいという気高き魂が!」
「下心な」と瀬呂が冷静にツッコミを入れるが、峰田の勢いは止まらない。
「サーバーの壁を越えたんだわ! 執念の一般先着枠もぎ取りじゃあああい!!!」
「お前そういう時の集中力だけはプロヒーロー以上だな……」
ドン引きする瀬呂を余所に、峰田はフンスと鼻を鳴らして男子一同を見回した。
「聞け、お前ら!」
もったいぶるように、手元のチケットをひらひらと扇ぐように振る。
「これは複数人用のグループチケットなんだ!」
一拍置いて、峰田の口元が不敵に歪んだ。
「つまり……『チケットが偶然余っちゃったからさ、みんなで一緒に行こうぜ?』って、最高に自然な流れで女子全員を誘える、神が授けし最強の切り札ってことだぁぁぁ!!」
「おぉーー!!」
「マジかよ、峰田天才じゃねぇか!」
その言葉を聞いた瞬間、上鳴をはじめとする男子たちが一斉にどよめき、身を乗り出した。
「というわけで!」
峰田はテーブルの上でビシッと勢いよく指を突きつけた。
「男子全員、強制参加な!!」