第35章 常夏SPLASH
そう言うと、ミリオはニヤリと意味深な笑みを浮かべた。
「でも、今日は違う!」
もったいぶるようにズボンのポケットへ手を突っ込む。
「驚くなよ?」
ゆっくりと、しかし確かな手応えと共に取り出されたのは――
「じゃーーーーん!!」
勢いよく掲げられたミリオの手の中で、夕暮れの光を受けてきらりと輝いたのは、数枚のホログラム仕様のチケットだった。
「これね、今めちゃくちゃ話題になってる最新の屋内型レジャープールのプラチナチケットなんだ!サーが『たまには息抜きも必要だろう』って、俺たちの分を譲ってくれたんだよ!」
「えっ!」
ユカリが目を丸くするよりも早く、ねじれが勢いよく身を乗り出した。
「わぁ~!ここ、今テレビやSNSでもすっごく人気のところだよね!?チケット全然取れないって聞いたよ!」
興味津々といった様子で、目を輝かせてチケットを覗き込む。
屋内レジャー施設なので天候にも左右されず、最新の個性対応型ウォータースライダーや、南国を模した巨大な流れるプールがあることで、今一番ホットなスポットだった。
「そうそう! 3年になってからさ、みんなインターンや課題でやたらと忙しいじゃない?」
ミリオはそう言って、いつも全力で駆け抜けている仲間たちの顔を見渡した。
「毎日ヒーローとしての活動ばかりで、ちょっとみんな、根を詰めすぎてるなーって思ってたんだ。だからさ!」
ミリオが拳を突き出し、太陽のような眩しい笑顔で提案する。
「最高の息抜きとして、みんなでこれ、行こうよ!」
「行く行く! 私、新しい水着買っちゃおうかな~!」
その勢いに乗っかるように、ねじれは大はしゃぎだ。
そんな二人のやり取りを、ユカリも「うん、楽しそう」と隣で柔らかく微笑みながら見守っている。