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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第34章 恋情増幅・後日談




そんな二人の様子を遠くから双眼鏡で覗き見ていたファンクラブの面々は、さらに机を叩いて盛り上がる。

「見たか!? 今、天喰先輩がユカリ先輩の前で深いため息をついたぞ!」

「あのご飯が喉を通らない感じ……! 完全に『長年隣にいたからこそ、これ以上踏み込めない幼馴染の切なさ』が表現されてるじゃん! やっぱ【環派】の空気感エモすぎ!」

「いやいや、爆豪がさっきから麻婆豆腐の豆腐を親の仇みたいに潰してるの、絶対嫉妬だから!」

「轟くんが蕎麦すするスピードが1・5倍速になったのも絶対焦りだよ!!」

「今日も三派閥、甲乙つけがたし……!」

そんな風に、外野のファンクラブたちが「切ない幼馴染エモすぎ」「いや爆豪の嫉妬だ」「轟の静かなる焦りだ」と勝手な討論会で大盛り上がりしていた、まさにその時だった。

​一足先に昼食を食べ終えた3年生のテーブルから、ユカリがトレイを持って立ち上がる。

そして、食堂の出口へと向かって歩き出す途中で、ふと爆豪と轟のテーブルの視線に気づいた。

​(……見られてる……)

​一瞬、昨日の記憶が蘇って顔がカッと熱くなりかけたユカリだったが、ここは人目の多い大食堂だ。

「先輩として、いつまでも気まずそうにしてちゃダメだよね」と自分を奮い立たせ、あえて努めていつも通りに振る舞うことにした。

ユカリは歩みを止めると、まず爆豪のテーブルへ向けて、顔の横で小さく「ばいばい」と手を振った。

さらに続けて、少し離れた轟のテーブルへ向けても、はにかむような優しい笑みを浮かべて、同じように小さく手を振ってみせる。

「じゃあね」という、先輩としての至極普通の、無自覚で可愛い挨拶。

──だが、完全に不意を突かれた二人の雄(オトコ)には、それが最大級の破壊兵器となった。


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