第33章 恋情増幅(R18)
(だめだ……また、来る……!)
轟の時と同じだった。
暴走する好意と熱に完全に脳を支配され、ユカリの身体は本人の理性を置き去りにして勝手に動いてしまう。
ドンッ――!
ユカリは、ベッドの縁に立っていた爆豪の胸を力任せに突き押した。
不意を突かれた爆豪の身体がベッドへと倒れ込み、軋むスプリングの音が響く。
気づいたときには、ユカリは仰向けになった爆豪の上に、がっつりと跨ってしまっていた。
(もう、いやだ……恥ずかしすぎる……っ!)
なんで自分から、こんな破廉恥で積極的な真似ばかりしてしまうのか。
羞恥と情けなさで涙が溢れそうになりながら、ユカリは震える声を絞り出した。
「……っ、爆豪くん、知ってるでしょ……!私が今、どういう状態か……っ」
個性のせいだと分かってるはずだ。
それなのに。
どうしてわざわざ触れて、こんな状況を作るのか。
涙目で責めるように見下ろすと、下からユカリを見上げる爆豪の紅い瞳と、至近距離でばっちりと視線が絡み合った。
「あァ……知っとるわ」
いつものように鋭く睨みつけるような三白眼。
けれど、ユカリを捕らえて離さないその瞳の奥には、ドス黒い嫉妬と、隠しきれないほどの強烈な欲情がドロドロと渦巻いている。
―――ひどく飢えた、猛獣のような目をしていた。
「……っ、早く離れて……っ、もう、キスしたくてたまらないの……!」
真っ赤な顔で涙目を浮かべながら、ユカリはついに限界を迎えた本音を叫んでいた。
恥ずかしさで脳が狂いそうだ。
だが、その限界を向けたユカリの潤んだ瞳が、爆豪の獣性を容赦なく煽り立てる。
「来いよ」
爆豪が低く、短く応じた。ニヤリと、その端正な唇の端が好戦的に釣り上がる。
「っ……!」
その言葉が最後の引き金だった。
ユカリの脳内の防波堤が完全に弾け飛び、自ら貪るようにして彼の唇へと食らいついた。
「……ん、っ…ふ、ぁ……っ!」
激しく重なり合う唇の隙間から、熱い吐息が漏れ出る。
ユカリが必死に彼の逞しい肩にすがりつくと、待っていたと言わんばかりに、爆豪の大きな手が彼女の腰を壊しそうなほどの力で抱き寄せた。