第33章 恋情増幅(R18)
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3年A組の教室。
休憩時間に戻って来たユカリは、自分の席に飛び込むようにして座った。
意味もなく手元の教科書を開いてみるものの、文字なんて一文字も頭に入ってこない。
『……っ、ん、あ……っ』
静かな保健室。
あの生々しい蜜の音。
耳元で囁かれた轟の低い声。
思い出すだけで、下腹部の奥がまたキュッと熱くなる。
ユカリは長い髪を必死にかき寄せ、轟に付けられた首元の赤い痕を隠すようにして、ずっとそわそわと身体を揺らしていた。
「あ、ユカリ!資料渡しに行ってから全然戻ってこなかったけど大丈夫だった?」
「そうそう!ほんと心配したんだからね〜! 」
いつも通り無邪気に話しかけてくるミリオとねじれ。
ユカリが「う、うん、ちょっとリカバリーガールに捕まっちゃって!」と引きつった笑顔で返すと、「そっか、無事なら良かった!」とすぐに納得して別の話を始めている。
だが、その横で。
机に突っ伏したまま、じっとユカリの様子を観察している男がいた。
(………おかしい)
環だ。
ユカリとは長い時間を共にしてきた幼馴染。
だからこそ、今の彼女の様子が、単に「個性の誘惑に耐えているだけ」の状態ではないことくらい、一目で分かったのだ。
異様なまでの顔の火照りや、首元を隠す不自然な仕草。
どこか艶を帯びて潤んでしまっている瞳と、防衛戦が決壊してしまったかのような、甘く微睡んだ雰囲気。
環は思う。
何かあったと仮定して。
それが爆豪か轟であるのは明らかだ。
資料を渡しに行ったあの空白の時間。
その時にユカリはどちらかと、何か決定的なやり取りをしてしまったのではないだろうか。