第33章 恋情増幅(R18)
「……っ、轟、くん……?」
見上げる彼のオッドアイは、完全に肉食のそれだった。
前髪の隙間から覗く瞳が、獣のように昏く光っている。
轟は片手でユカリの両手首を掴むと、それを彼女の頭の上へと易々と固定した。
抵抗できない体勢だ。
そして空いたもう片方の手を、自身の首元へと伸ばす。
長い指先が、制服のネクタイの結び目を捉えた。
──ぐいっ、と。
少し荒々しい所作でネクタイを緩め、シャツの第一ボタンを弾くように外す。
首筋の硬い喉仏が、色っぽく上下に動いた。
いつもは端正でクールな後輩の、見たこともないほど泥臭く、色気に満ちた姿。
ネクタイを緩めるその仕草ひとつが、心臓が止まるほど格好いい。
「……先輩、俺も男だって言いましたよね」
低く、低く、響く声。
ユカリの真上に位置する彼の胸板が、激しく上下している。
シャツ越しでも分かるほど、彼の心臓がうるさいくらいに脈打っていた。
「ずっと好きだった先輩に、あんな顔で跨られて……普通でいられるわけねぇだろ」
その言葉通り、彼がユカリの身体に押し当ててくる熱は、明らかに「普通じゃない」レベルで硬く、熱く、昂っていた。
好きな先輩を前にして、限界まで興奮しているのが隠しきれていない。
ユカリの細い手首を掴む彼の指先が、熱さで微かに震えている。
「個性のせいでも、なんでもいいです。……もう、止めねぇから」
不敵に、だけどどうしようもなく欲しそうに目を細めて、轟がゆっくりと顔を下げてくる。
今度は完全に、彼が主導権を握った。
激しい行為の始まりを告げるように。