第33章 恋情増幅(R18)
「……チッ」
爆豪は急にふいと顔を背ける。
いつもなら大声で怒鳴るはずの彼が、今は完全に黙り込んでいる。
爆豪の耳が、見たこともないほど真っ赤に染まっていくのを出久は見逃さなかった。
「……そうか」
轟はぽつりと呟いた。
「怒ってないならよかった」
その声はいつもより低く、どこか上擦っている。
「……それなら、いくら避けられても納得できる」
轟はただ静かに、安心したような表情を浮かべている。
爆豪は獰猛さと羞恥心が混ざったような複雑な笑みを口元に浮かべた。
「あのバカ、そんなことで必死に逃げ回ってやがったのかよ……」
その声には呆れも混じっていたが、それ以上に嬉しさが隠しきれていなかった。
ユカリは自分たちを拒絶していたわけではない。
それどころか、隠しきれないほどの確かな「好意」がそこにある。
個性の持続時間は今日の夕方まで。
ユカリの必死の抵抗を知ってしまった二人の胸のざわつきは、別の意味で、もう誰にも止められないほど熱く跳ね上がっていた―――