第33章 恋情増幅(R18)
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「でもさ〜、何で会ってないのにそんなことになっちゃってるの?」
ソファでねじれが不思議そうに首を傾げる。
その両腕はユカリの背後から回されていて、しっかりと彼女を抱き締めている。
完璧な人道拘束だ。
ミリオはそんな二人の姿を眺めながらも、にやにや楽しそうに腕を組んでいる。
「実はさっき……」
ユカリはねじれの腕の中で、消え入るような声で白状した。
「……爆豪くんから電話が来て……」
「ええっ!? 電話!?」
ねじれが驚きのあまり、ユカリを抱き締めたままピョンと跳ねた。
「電話でもあんなことになるの!?声だけでも個性のトリガーになっちゃうんだ!」
「なるほどねぇ!『距離依存型』って言っても、通信機器を通じた心理的な『距離の接近』もカウントされちゃうわけか。いやはや、恐ろしい個性だ!」
ミリオは感心したように深く頷く。
そして悪巧みをする子供のような顔でポンと手を叩いた。
「じゃあさ、対策としてユカリに耳栓しちゃう!?聞こえなければノーダメージだよ!」
「……ミリオ。それじゃあ授業も受けられないし、誰の声も聞こえない」
ソファから環が冷ややかな、しかし極めて真っ当なツッコミを入れる。
ミリオは「あ、確かに!」と豪快に頭を掻いた。
ユカリはねじれの腕の中で完全に項垂れていた。
声を聞いただけで、これだけ理性がすっ飛んで1年寮に突撃しようとしてしまったのだ。
恐ろしすぎる。
もし明日。
朝の登校ラッシュや廊下で彼らとバッタリ遭遇してしまったら。
今度こそ取り返しのつかない行動に出てしまうかもしれない。
「……明日は」
ユカリは決意を固めるように、小さく拳を握りしめた。
「明日は、みんなより1人で朝早くに寮を出て学校に行く……誰にも会わないように……」
「おお、賢明な判断だね!」とミリオが親指を立てる。
「うんうん、それが一番安全かも!」とねじれも抱き締める力を少し緩めて微笑んだ。
環も静かに同意の頷きを返す。
こうして、ユカリの「絶対に爆豪と轟に近づいてはならない過酷な24時間」の、本当の戦いが幕を開けようとしていた。