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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第32章 退院




こんなにも心配してくれていたんだ。

そう思うと自然と笑みがこぼれた。

「ごめんね。心配かけちゃって」

その時。

「ユカリ先輩!」

勢いよく立ち上がった出久の椅子が、ガタンッと大きな音を立てる。

「あ、あの、その後体調はどうですか!?眠れてます!?頭痛とかありません!?フラッシュバックとか――」

心配が一気にあふれ出したように、質問が止まらない。

「緑谷くん」

飯田がすかさず肩を掴んだ。

「少し落ち着きたまえ!」

「はっ!」

出久はぴたりと動きを止め、そのまま固まってしまう。

そのあまりにも見事な反応に、教室中がどっと笑いに包まれた。

ユカリも思わず吹き出してしまう。

「ふふっ……大丈夫だよ」

「本当ですか?」

「うん。本当に」

その言葉を聞いて、出久はようやく肩の力を抜き、安心したように笑った。

その時、少し離れた席から静かな視線を感じる。

顔を向けると、轟が席に座ったままこちらを見ていた。

目が合う。

轟はゆっくりと口を開く。

「体調は大丈夫ですか」

他のみんなのように大騒ぎするわけでもなく、ただ一言。

それでも、その声には確かな気遣いが込められていた。

「うん。もう大丈夫」

「……それならよかったです」

「ありがとう」

短いやり取りだった。

それだけなのに、轟の表情がほんの少しだけ柔らかくなる。

その穏やかな表情を見た瞬間。

ユカリの脳裏にあの日の光景がよみがえった。

ヴィラン連合のアジト。

ようやく自分を見つけてくれた時の、あの安堵したような顔。

思い出した途端、少しだけ照れくさくなってしまう。

 

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