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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第32章 退院





退院して最初の登校日。

朝のホームルーム前の校舎は、久しぶりに聞く笑い声や話し声で満ちていた。

廊下を歩くたびに知り合いとすれ違い、そのたびに「おかえり!」と声を掛けられる。

「ありがとう」

何度もそう返しながら、ユカリは少し照れくさそうに笑った。

こんなにもたくさんの人が、自分の帰りを待っていてくれた。

そのことが嬉しくて。

胸がじんわりと温かくなる。

けれど、ユカリにはもう一人、退院したら顔を見たいと思っていた相手がいた。

向かった先は1年A組の教室。

教室の前まで来ると、中から賑やかな笑い声が聞こえてくる。

みんな、いつも通りの朝を過ごしている。

ユカリは小さく息をついてから、教室の扉を開けた。

ガラッ

その音に教室の何人かが一斉に振り向く。

「あっ!」

最初に気付いたのは麗日だった。

ぱっと表情を明るくして立ち上がる。

「ユカリ先輩!」

その一声で、教室中の視線が一気に集まった。

「先輩!」

「退院したんですか!?」

「もう大丈夫なんですか!?」

「あんまり無理しないでくださいね!」

あっという間にユカリの周りにはA組のみんなが集まってきた。

「わっ……」 

勢いに押されてユカリは思わず一歩下がる。

「怪我はもう平気ですか!?」

「ちゃんと寝てます!?」

「ご飯食べてますか!?」

「病院のご飯まずかったですか!?」

最後の質問だけ何か違った。

有加梨は思わず首を傾げた。

「えっと……普通だったよ?」

「そうですか!」

真剣な表情で頷いたのは砂藤だった。

なぜかとても納得した様子で腕を組んでいる。

その真面目な反応がおかしくて、教室のあちこちから笑い声が漏れた。

「先輩、本当に良かった……」

蛙吹がほっと息をつきながら、優しく微笑む。

その隣では芦戸が今にも泣きそうな顔で両手を握りしめていた。

「ユカリ先輩、よかったぁぁぁ!!」

その声を聞いた瞬間、ユカリの胸が熱くなる。


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