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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第32章 退院




その騒ぎの横で、環は静かにジュースを口に運んでいた。

(……関わらないでおこう)

そんな心の声が聞こえてきそうなくらい、気配を消している。

しかし。

「ねえねえ!天喰くんはどう思う!?」

ねじれが逃がすはずもなかった。

「……何が」

環は嫌そうに顔を上げる。

「ユカリの恋愛事情!」

その瞬間、環は心の底から面倒そうな表情になった。

「……知らない」

「環が逃げた!」

ミリオが大笑いする。

「……逃げてない」

「逃げたよ〜!」

「逃げてない……」

「絶対逃げた!」

「…………」

環はこめかみを押さえ、小さくため息をついた。

見るからに疲れ始めている。

そんなやり取りに、クラスメイトたちはまた笑い声を上げた。

退院したばかりだというのに、寮はいつも通り騒がしくて賑やかだった。

だけど、その騒がしさが今は心地いい。

ユカリは思う。

やっぱりここが好きだ。

みんながいて。

笑い合えて。

帰って来られる場所。

ヴィラン連合のアジトで過ごした数日を思い出す。

そして目の前を見る。

ねじれが騒ぎ。

ミリオが笑い。

環が疲れ果てている。

ユカリは目を細めて笑った。

「……ただいま」

誰に言うでもなく呟く。

その声は。

賑やかな笑い声の中に優しく溶けていった。


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