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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第31章 病院





爆豪は黙っている。

すぐには答えない。

考えているのだ。

誤魔化さず。

逃げず。

ちゃんと答えようとしている。

その沈黙を、ユカリも静かに待った。

やがて。

爆豪は短く言う。

「知らねぇ」

ユカリはふっと笑った。

やっぱり。

爆豪らしい。

でも。

それだけでは終わらなかった。

「でも」

低く、それでいて迷いのない声。

「今のお前は違う」

ユカリが顔を上げる。

「お前はお前だろ」

真っ直ぐだった。

何の迷いもない。

「もしの話なんざ意味ねぇ」

「…………」

「今までどう生きてきたかだ」

その言葉が胸の奥へゆっくりと染み込んでいく。

「だから」

爆豪はユカリの目を見据えた。

「お前があっち行くことはねぇよ」

断言だった。

信じているからこそ言える言葉だった。

ユカリの胸がじんわりと温かくなる。

張り詰めていた何かが、少しだけほどけていく。

「……そっか」

小さく微笑みながら答える。

爆豪もそれ以上は何も言わなかった。

やがて病室の照明が静かに灯り、柔らかな光が二人を照らす。

窓の外では、群青色だった空はすっかり夜の色へ変わり、星が少しずつ数を増やしていた。



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