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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第31章 病院





その時だった。

コンコン。

再びノックの音が響く。

ユカリと爆豪は同時に入口へ視線を向けた。

「どうぞ」

ユカリが返事をすると、ゆっくりと扉が開く。

そして、その瞬間だった。

爆豪の時間が止まる。

「……は?」

珍しく、本当に固まった。

いつもならすぐ悪態の一つでも飛ばすはずなのに、言葉が続かない。

病室の入口に立っていたのは——

「勝己ぃー!」

明るく響く大きな声。

爆豪光己だった。

「お邪魔しまーす!」

元気よく手を振る光己の後ろから、少し照れくさそうに頭を下げる父・勝も続いて入ってくる。

その光景に、ユカリも思わず目を丸くした。

「えっ!?」

まさか爆豪のご両親が来るとは思ってもいなかった。

爆豪は勢いよく椅子から立ち上がる。

「なんで来てんだテメェら!?」

「何よその言い方!」

返事より先に。

スパァンッ!!

光己の手が容赦なく爆豪の後頭部へ飛んだ。

乾いた音が病室いっぱいに響く。

「ッテェ!!」

「心配したに決まってんでしょ!」

「なんでだよ!」

「今朝のニュース見たからよ!」

息ぴったりの親子喧嘩に、ユカリはぽかんと口を開けた。

(す、すごい……)

そんな爆豪を放っておいて、光己は一直線にユカリのベッドへ近付く。

そして。

「ユカリちゃん!」

ぎゅっと両手でユカリの手を包み込んだ。

勢いがすごい。

「本当に無事でよかったわぁ!!」

「あ、ありがとうございます……」

近い。

そして圧が強い。 

ものすごく強い。

その熱量に、ユカリは少したじろぎながらも自然と笑みがこぼれる。

隣では勝も穏やかな笑みを浮かべて頷いた。

「本当に良かった」

落ち着いた優しい声だった。

「勝己から色々と聞いてたからな」

「……え?」

ユカリは思わず爆豪を見る。

視線が合いそうになった瞬間。

爆豪はぷいっと顔を逸らした。



 
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