第31章 病院
ああ、本当に帰ってこられたんだ。
みんなのいる場所へ。
そう思った瞬間。
夕暮れの光が差し込む病室は、さっきよりずっと温かく見えた。
「そういえば、学校はどう?」
ユカリが尋ねる。
「あー!それがね!聞いて聞いて!」
その反応を見た瞬間、ユカリはなんとなく察する。
ねじれがこういう顔をする時は大体誰かが面白い目に遭っている。
しかもかなり高確率でミリオだ。
「通形たち反省文書いてる!しかも五十枚!」
「えぇ!?」
思わず素っ頓狂な声が出た。
五十枚。
聞き間違いではない。
五十枚だ。
ユカリは目を丸くする。
さすが相澤先生。
説教も反省文も一切容赦がない。
「それでね、それでね!」
ねじれは身を乗り出す。
「途中で様子見に行ったら、通形が『ユカリ救出大冒険』ってタイトルで書いてて!」
「ふっ、やめてお腹痛い……」
「十枚追加されたんだって!」
「何やってんのミリオ……!」
笑いが込み上げる。
久しぶりだった。
こんなふうに何も考えず笑えるのは。
ねじれもつられて笑う。
二人の笑い声は夕暮れの病室に溶けていった。