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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第29章 救出







夜空。

満月。

崩れ落ちる瓦礫。

一瞬。

時間が止まったように感じる。

落ちる。

身体が。

何十メートルも下へ。

風が耳元を裂く。

(まずい――!)

その瞬間だった。

上空。

月明かりの中。

誰かが飛び出す。

爆発を纏って。

一直線に。

ユカリへ向かってくる。

伸ばされた手。 

必死な顔。

今まで何度も見てきた顔。

「掴め!!」

爆豪だった。

ユカリは迷わず手を伸ばす。

指先が触れる。

だがまだ足りない。

「ユカリ!!」

爆豪の叫び。

必死だった。

今まで聞いたこともないくらい。

感情が剥き出しになっていた。

「手ぇ伸ばせ!!」

その瞬間。

ユカリは歯を食いしばって。

全力で腕を伸ばす。

そして。

「!」

手が重なる。

「絶対ぇ離すな!!」

掴む。

強く。

爆豪はその手を痛いほど握り締めた。

離さない。

絶対に。

そんな意思が伝わるほど強く。

次の瞬間。

爆豪はもう片方の手で爆破を起こした。

轟音。

落下の勢いを無理やり殺す。

それでも衝撃は大きい。

二人は崩れた瓦礫へ転がり込んだ。


ドサッ――!!


土煙が舞う。


しばらく静かになる。


やがて。



ユカリがゆっくりと目を開ける。

目の前には爆豪がいた。

座ったまま、肩で荒く息をしている。

手はまだ離れていない。

いや。

離そうとしていない。

まるで確認するかのように。

本当に助かったのか確かめるように。

手を強く握り締めたまま。

「爆豪く―――」

その瞬間、ユカリの身体が引き寄せられる。

爆豪の腕の中へ。

ドン、と胸にぶつかる。

爆豪は何も言わない。

ただ。

離さない。

絶対に。

離さないというように。

強く抱き締めた。


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