第29章 救出
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最上階。
赤い警報灯が明滅する中央通路。
轟と荼毘は向かい合っていた。
互いに視線は外さない。
空気は張り詰めている。
いつぶつかってもおかしくない。
ユカリはその間で、わずかな隙を探している。
すると荼毘の手が伸びてくる。
「轟お前」
そして何の前触れもなく、ユカリの肩を引き寄せた。
「っ!」
ユカリが眉をひそめる。
荼毘の腕が肩に回される。
「そんなにユカリが大事か?」
完全に見せつけるためだけの行動だった。
轟の表情が険しくなる。
「手え離せ!」
荼毘は喉を鳴らして笑う。
「これだからガキは困る。たかが肩だろ?たかが――」
その時。
ドォォン!!!
爆音と共に通路の奥の壁が吹き飛んだ。
「見つけたァ!!」
瓦礫を蹴散らしながら現れたのは爆豪だった。
「チッ、予定より早ぇ」
荼毘が舌打ちする。
トガが足止め出来なかったのだろう。
「…………」
爆豪はユカリを一目見た。
少し痩せたか。
顔が疲れてる。
あんま寝れてねぇ。
元気もねぇ。
でも、生きてる。
その事実に胸の奥が強く揺れた。
けれど今は感情を出す時じゃない。
「轟ィ!」
「分かってる!」
速攻。
轟の氷と爆豪の爆破が同時に放たれる。
轟が正面から押さえ込み、爆豪が横から突っ込む。
荼毘は即座に炎で迎撃した。