第29章 救出
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2階通路。
ミリオと環はコンプレスと激しくぶつかっていた。
「はっ!」
ミリオが床をすり抜け、一気に懐へ潜り込む。
だがコンプレスはそれを読んでいたかのように後退する。
「厄介だねぇ、それ」
「そっちこそ!」
衝撃で壁が砕ける。
その横から環が攻撃を仕掛けた。
コンプレスは帽子を使いながら距離を取る。
時間稼ぎ。
それがコンプレスの目的だ。
ミリオも環も理解していた。
だから焦る。
上へ行かなければならない。
ユカリを助けなければならない。
早く。
一秒でも早く―――
その時だった。
インカムから轟の声が響く。
『見つけた!!』
ミリオの目が見開かれる。
環も顔を上げた。
『ユカリ先輩を発見した!』
「本当に!?」
ミリオが即反応する。
『最上階中央通路!』
『荼毘と一緒だ!!』
一瞬で空気が変わる。
ミリオの拳が強く握られる。
「今行く!」
環の心臓も跳ねた。
見つかった。
無事だった。
それだけで胸が熱くなる。
数秒の沈黙。
そして。
ミリオが改めて前を睨む。
「どいてくれ。ユカリを返してもらう」
その言葉に。
コンプレスは少し考えるような顔をした。
そして静かに言った。