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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第29章 救出




***

遠くから響く爆発音と衝撃。

建物全体が小刻みに揺れていた。

監禁部屋の中で、ユカリは静かに立ち上がる。

誰かが来てる。

誰かが。

戦ってる。

まさか。

「……みんな?」

そう思った瞬間、胸の奥が熱くなる。

違うかもしれない。

でも。

もし。

みんなだったら。

どこかで期待してる自分がいる。


「…………」

ユカリは扉を見つめる。

逃げるなら今かもしれない。

混乱に乗じた今なら。

逃げられる。

隙は生まれる。

ガチャリ。

扉のロックが解除される音。

ユカリの目が鋭くなる。

来た。

誰が来たとしても関係ない。

扉が開いた瞬間が勝負だ。

ゆっくりと扉が開く。

その隙間から見えたのは黒いコート。

荼毘―――

確認した瞬間、ユカリは動いた。

床を蹴る。

開き切る前の扉へ向かって一気に飛び出す。

真正面突破。

考えている暇などない。

今しかない。

だが。

「あー」

低い声。

次の瞬間、荼毘の腕が伸びた。

ユカリの腕を掴むわけでもない。

行く手を塞ぐように壁へ手をつく。

ドン。

逃げ道が消える。

ユカリは咄嗟に止まった。

荼毘は呆れたようにため息をつく。

「やめとけ」

ユカリは睨み上げる。

「……どいて」

「嫌だね」

警報が鳴り続ける。

遠くで爆発音が響く。

荼毘は壁にもたれながら言う。

「扉開いた瞬間に来ると思った」

「………」

「その顔」

少し笑う。

「ずっと狙ってたろ」

図星だった。

ユカリは何も言い返さない。


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