第29章 救出
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2階通路では、ミリオと環が部屋を探し回っていた。
「ユカリいた!?」
「いない」
「こっちもだ!」
時間がない。
敵もどんどんやって来る。
この隙にヴィラン連合はユカリを連れて逃げるかもしれない。
早く。
早く見つけないと。
その時だった。
二人のいる通路に、拍手の音が響く。
パチパチパチ。
二人が振り返る。
そこには。
シルクハットを被った男が立っていた。
「お見事」
コンプレスだった。
「まさかここまで来るとは」
ミリオが足を止める。
コンプレスは優雅に一礼した。
まるで舞台俳優のような仕草。
「しかし困った。この先へは通せない」
ミリオは手を出して構える。
「……どいてくれないかな」
「それは難しい相談だ」
コンプレスが笑う。
「私も仕事中でね」
環も無意識に一歩前へ出る。
ユカリの顔が浮かぶ。
監禁されているかもしれない。
怖い思いをしているかもしれない。
そう思うだけで胸が苦しくなる。
でも。
ここで退くわけにはいかない。
コンプレスもゆっくり帽子へ手を添えた。
「さて。ショータイムといこうか」
通路で激突する。
ミリオと環とコンプレス。
それぞれの戦いが始まった。