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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第29章 救出




***

東階段から駆け上がる爆豪と出久。

目の前に現れる敵をどんどん蹴散らしていく。

『2階現着!みんなは?』

3階の通路を走っているとインカムからミリオの声が流れてきた。

急いで出久が答える。

「3階現着!ユカリ先輩を探します!」

『こちら轟。4階現着。確認後、足止めする』

巨大研究施設。

ユカリがどこに監禁されているかもわからない。

だから階を手分けして、最上階まで虱潰しに消していくしかない。 

「チッ、広すぎんだろ」

入り組んだ構造に爆豪が苛立つ。

時間も限られている。

一刻も早く見つけなければ―――

その時だった。

目の前の天井から人影が降ってきた。

クルリと軽やかに着地する。

金髪の少女。

制服のような服。

手にはナイフ。

「やっほー♡」

トガヒミコだった。

二人の足が止まる。 

「トガヒミコ……!」

出久が思わず名前を口にする。

「久しぶりだねぇ、出久くん♡」

嬉しそうな笑顔。

まるで友達に会ったかのような声だった。

だが爆豪は即座に構える。

「どけ」

殺気を含んだ低い声。

トガは笑った。

「えー?嫌だよぉ」

ナイフを指で回す。

「だってユカリちゃん助けに来たんでしょ?」

その名前が出た瞬間。

爆豪と出久の表情が変わった。

トガはそれを見てさらに笑う。

「本当に大事なんだね」

「黙れ」

爆豪の掌から火花が散る。

「どけっつってんだろクソヴィラン」

「怖ぁい♡」

トガは楽しそうだった。

だがその目は鋭い。

時間稼ぎ。

それが自分の役目だとトガは理解している。

「ねぇ出久くん」

「もしユカリちゃんがヴィラン側に来たらどうする?」

トガが首を傾げながら問う。

「ありえない」

出久は即答した。

迷いなく。

トガは少しだけ目を丸くする。

そして寂しそうに笑った。

「そういうとこ好きなんだけどなぁ」

次の瞬間、爆破で突っ込む音がした。

「邪魔だ退けェ!!」

轟音。

爆発。

戦いは始まる。



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