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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第29章 救出




死柄木はそんな荼毘へ視線を向ける。

「荼毘」

「あ?」 

そして短く言う。

「ユカリを連れて来い」

荼毘の眉が僅かに動く。

「上にか?」

「ああ」

死柄木は窓の向こうの夜空を見る。

満月が浮かんでいた。

「俺が見る」

トガが不思議そうに首を傾げる。

「何で?」

死柄木は答えない。

だが少し考えてから言った。

「ここに置いとくと面倒だからだ」

それは半分本当で、半分は違った。

荼毘はそのことに気付いている。

だから小さく笑う。

「へぇ」

死柄木は睨む。

「何だ」

「別に」

荼毘は肩をすくめた。

「随分気に入ってんなと思っただけだ」

死柄木は苛立ったように舌打ちする。

「くだらねぇこと言ってねぇで行け」

「はいはい」

荼毘は壁から身体を離して廊下へ向かう。

その背中へ死柄木が最後に言う。

「傷付けるなよ」

その言葉に荼毘は足を止めた。

振り返りはしない。

ただ鼻で笑う。

「分かってる」

そして歩き出す。

ユカリが監禁されている部屋へ。


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