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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第29章 救出




***

研究施設・最上階。

薄暗い廊下の奥。

ヴィラン連合のメンバーたちは、それぞれの場所で時間を潰していた。

荼毘は壁にもたれ、煙草の代わりにライターを弄っている。

トガヒミコは床に座ってナイフをくるくる回していた。

コンプレスは椅子に腰掛け、本を読んでいる。

そして部屋の奥。

死柄木は古びたモニターを眺めていた。

静かな時間。

だが、その静寂は突然破られる。

――ドォォォン!!

建物全体を揺らす轟音。

続いて警報。

赤いランプが点滅を始める。

『侵入者です!!』

モニター越しの見張り役が叫んだ。

『正面入口が破壊されました!』

トガが勢いよく立ち上がる。

「来た!!」

嬉しそうな声。

「やっぱり来たんだ!」

コンプレスも本を閉じる。

「随分と派手なご挨拶だねぇ」

別のモニターへ映像が切り替わる。

そこには。

一階を突破して分散する五人の姿。

その顔を見た瞬間。

トガは楽しそうに笑った。

「わー♡ 本当にユカリちゃん助けに来た!」

荼毘は映像を見て鼻で笑う。

「予想通りだな」 

一方の死柄木は無言だった。

ただ画面を見ている。

五人は迷いなく進んでいた。

途中のヴィランを倒しながら。

真っ直ぐ。

ユカリの元へ。

その姿を見て死柄木はゆっくり呟く。

「来ると思ってた」

誰にも聞こえないほど小さく。

だが確信していたような声だった。

トガが振り向く。 

「弔くん?」

死柄木は立ち上がる。

「下は任せる」

その言葉に空気が変わった。

リーダーとしての声。

「時間稼ぎしろ」

「了解」

コンプレスが帽子を押さえる。

トガはナイフを握る。

「いっぱい遊べるかな?」 

だが、荼毘だけはその場から動かない。


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