第29章 救出
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研究施設・最上階。
薄暗い廊下の奥。
ヴィラン連合のメンバーたちは、それぞれの場所で時間を潰していた。
荼毘は壁にもたれ、煙草の代わりにライターを弄っている。
トガヒミコは床に座ってナイフをくるくる回していた。
コンプレスは椅子に腰掛け、本を読んでいる。
そして部屋の奥。
死柄木は古びたモニターを眺めていた。
静かな時間。
だが、その静寂は突然破られる。
――ドォォォン!!
建物全体を揺らす轟音。
続いて警報。
赤いランプが点滅を始める。
『侵入者です!!』
モニター越しの見張り役が叫んだ。
『正面入口が破壊されました!』
トガが勢いよく立ち上がる。
「来た!!」
嬉しそうな声。
「やっぱり来たんだ!」
コンプレスも本を閉じる。
「随分と派手なご挨拶だねぇ」
別のモニターへ映像が切り替わる。
そこには。
一階を突破して分散する五人の姿。
その顔を見た瞬間。
トガは楽しそうに笑った。
「わー♡ 本当にユカリちゃん助けに来た!」
荼毘は映像を見て鼻で笑う。
「予想通りだな」
一方の死柄木は無言だった。
ただ画面を見ている。
五人は迷いなく進んでいた。
途中のヴィランを倒しながら。
真っ直ぐ。
ユカリの元へ。
その姿を見て死柄木はゆっくり呟く。
「来ると思ってた」
誰にも聞こえないほど小さく。
だが確信していたような声だった。
トガが振り向く。
「弔くん?」
死柄木は立ち上がる。
「下は任せる」
その言葉に空気が変わった。
リーダーとしての声。
「時間稼ぎしろ」
「了解」
コンプレスが帽子を押さえる。
トガはナイフを握る。
「いっぱい遊べるかな?」
だが、荼毘だけはその場から動かない。