• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第29章 救出





そしてその全てからヴィランたちが現れていた。

「いたぞ!」

「止めろ!」

「上へ行かせるな!」

次々に増える敵。

まるで巣を突いたようだった。

出久が息を呑む。

「この数……!」

倒しても終わらない。

むしろ時間をかければかけるほど増える。

ミリオもすぐ理解した。

「このまま全員で進んだら完全に足止めされる」

ミリオは冷静だった。

「一ヶ所に集まれば、その分敵も集まる」

環も周囲を見ながら小さく言う。

「……分かれよう」

轟が上の階へ続く吹き抜けを見上げた。

そして静かに言う。

「俺が一人で中央を行く」

その言葉に全員が轟を見た。

爆豪が眉をひそめる。

「は?」

轟は冷静に説明する。

「俺の個性なら敵を相手にする必要がない」 

轟は足元を見た。

次の瞬間。

巨大な氷が一気に広がる。

ドゴゴゴゴッ!!

中央階段。

押し寄せてきたヴィランたちごと凍り付く。

一瞬で足止め。

通路そのものが封鎖される。

出久が目を見開く。

「すごい……」

轟はさらに続けた。

「俺なら戦わなくて最短で上がれる」

その言葉にミリオが少し笑った。

なるほど。

そういうことか。

轟は敵を倒す必要がない。

氷で通路ごと塞ぐ。

敵ごと閉じ込める。

壁を作る。

道を作る。

突破する。

つまり。

今回の救出戦で最も重要な「上へ行くこと」に特化している。

「相手が十人でも百人でも同じだ」

轟は言う。

「全部止めて進める」 

確かに轟だけだ。

敵を無視して前へ進めるのは。

爆豪が舌打ちをする。

出久も頷く。

「確かに轟くんが中央ルートなら、一番敵が集まっても突破できる」

ミリオが簡潔にまとめる。

「よし、轟くんは中央」

「俺と環は西側」

「爆豪くんと緑谷くんは東側」

環も小さく頷いた。

「誰か一人でもユカリを見つければいい」

全員の目的は同じだ。

ユカリを助けること。

敵を倒すことではない。 

ミリオは最後に四人を見る。 

「最上階で合流しよう」

そして次の瞬間。

五人は散った。

東へ。

西へ。

中央へ。

三方向から最上階を目指して。

ユカリの元へ向かうために。



/ 575ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp