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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第29章 救出




***

その紙が見つかってから三日後。

ついに転機が訪れる。

発端は出久だった。

大量の資料。

目撃情報。

物流ルート。

黒霧の移動記録。

ヴィラン連合が過去に利用した拠点。

徹夜同然で分析を続けていた。

そして。

「ここだ」

地図の一点を指差す。

廃棄された研究施設。

山中。

人の出入りが少ない。

だが、食料や物資の流れだけが不自然だった。

ミリオが身を乗り出す。

「確率は?」 

「高いです」 

出久は断言した。  

「今までで一番」

爆豪が立ち上がる。 

「行くぞ」

誰も異論を言わない。

その日の夜。

五人は山へ向かっていた。

月明かりだけが頼りだった。

風が木々を揺らす。

施設が見えてくる。

古い研究棟。

外見は廃墟。

その高さは5階建てにもなる。

だが、確実に人の気配がある。

ミリオが施設を見上げながら言う。

「……恐らく各階に戦力を配置してる。侵入者を足止めするために」

出久も頷く。

「敵は僕たちが来ることを予想してる可能性もあります」

「だから何だ」

爆豪が前へ出た。

「そん時は全部ぶっ飛ばして進むだけだろ」

ユカリを助ける。

そのためだけにここへ来たのだ。

ミリオは皆を見渡した。

「目的はひとつ」

いつもの明るい笑顔はない。

あるのは、プロヒーローを目指す者としての真剣な眼差し。

「ユカリの救出だ」

全員が頷く。

ユカリを連れ帰る。

今夜、必ず。

五人は闇の中を駆け出す。

研究施設の正面入口へ。

そして――

轟が巨大な氷で入口を吹き飛ばした。

轟音。

砕け散る鉄扉。

警報が鳴り響く。

侵入を知らせる赤い警告灯が施設中を染め上げた。

「来たぞ!!」

「ヒーローだ!!」

一階の広間から飛び出してくるヴィランたち。

だが。

「邪魔だァ!!」

爆豪の爆破が先頭集団を吹き飛ばす。

続いて轟の氷。

出久の黒鞭。

ミリオの突撃。

環の変幻自在な攻撃。

そのまま正面突破する五人。

一気に中央ホールまで駆け抜ける。

だが。

そこで足が止まる。

ホールから先は三方向に分岐していた。

東側階段。 

西側階段。

そして中央吹き抜けを囲むメイン階段。

どれも上階へ続いている。

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